STAGE.7 閉じゆく心

第2巻冒頭

シンジが案内されたミサトのマンションの部屋は、ひどく散らかり放題であった。
冷蔵庫の中身はビールばかり。
大きな冷蔵庫にはペンギンが住んでいた。

翌日、学校に通い始めるシンジ。
そこでは、教師がセカンド・インパクトについて講義していた。
南極が溶解したこと、海面が20メートルも上昇したこと、そして干ばつ、洪水、火山の噴火、経済恐慌、民族紛争、内戦により、世界の人口が半年で半分になったということ・・。

転校生のシンジは、他の生徒達から「例のロボット」のパイロットと噂されていた。
同じクラスには、あの包帯の少女も居た。

女子生徒に問い詰められ、パイロットであることをしぶしぶ認めたシンジ。
すると、鈴原トウジという男子生徒が喧嘩をうってくる。

トウジの妹は、先日のエヴァと使徒との戦いのときに、ケガを負って病院に入院していたのだ。
その責任をシンジにおわせるトウジ。
しかしシンジはそっけない態度で、まるで彼を相手にしない。
怒りを買ってしまったシンジは一発殴られるが、それ以上はトウジの友人のケンスケと学級委員長に止められる。

夜間はネルフの基地で訓練を続けるシンジ。
インダクションモードでエヴァを操作し、巨大な銃で的を撃ちぬいてゆく。

毎日淡々と学校と訓練を繰り返しているかに見えた。
だが、1週間前までシンジが住んでいた叔父の家からは何も連絡がない。
そのことをミサトは心配する。

シンジの心と体はすでに少しずつバラバラになってきていた。
自分の身につらいことがあっても、他人ごとのように見つめるのだ。
そうやって彼は生きてきたのだった。

心を体の奥に閉じ込めて、痛みも恐怖も感じないようにと努めるのだった。
そして、シンジの訓練は順調だった。

キーワード
インダクションモード:脳波シンクロではない・・とのことだが、つまり手足の動作でエヴァを動かすことなのだろう。

STAGE.8 シンジご機嫌ななめ

シンジがミサトの部屋に帰ると、ミサトは入浴中だった。
その間に、ミサトの机の上にあった書類を見てしまう。

「E計画 サードチルドレン 監督日誌」と名付けられたそのノートには、学校での出来事が全て書き記されていた。
その後の食事中、訓練についての些細なことから、二人は口論になってしまう。

学校の屋上で物思いにふけるシンジ。
そこにトウジがあらわれ、またも因縁をつけるが、ケンスケに止められる。
そこへ綾波が非常招集を知らせに来た。

市内に警報が鳴り響くなか、住民をシェルターへと誘導するアナウンスが流れる。
水平線の向こうから、イカのような形をした使徒が、ゴウンゴウンという轟音を立てながら町に迫っていた。

キーワード
綾波:シンジは彼女に自己紹介されたわけではないので、学校の名簿か何かで彼女の名前を知ったのだろう。

STAGE.9 マニアの受難

使徒の襲来にあわせて、第3新東京市全体が戦闘形態に移る。
市内に設置された兵器群から、大量の弾薬が使徒に浴びせられる。
しかしまたもや、まったく歯がたたない。

シェルターの中に避難したケンスケは、どうしても地上の戦いが見たくなり、トウジとともに地上に出てしまう。
シンジはエヴァ初号機で発進するも、訓練とは違い、ライフルの扱いがうまくいかない。
一瞬の隙をつかれ、使徒のムチのような触手によって倒されてしまう。
ビルをなぎ倒しながら、かなりの距離を吹き飛ばされるエヴァ。
アンビリカルケーブルをも切断され、電源を失う。活動限界は残り4分53秒。

使徒とエヴァとの戦いを、地上からビデオ撮影していたケンスケとトウジ。
まさにその場所にエヴァが倒れかかって来た。
シンジはエヴァの手の指の間に、二人が居ることに驚く。
ケンスケとトウジに気を取られ、自由に動けなくなってしまう。

キーワード
第4の使徒:物語の出だしから数えればまだ2体目である。それにより、読者は過去に2体の使徒がいた事を知る。

STAGE.10 ナイフと少年

シンジは戦闘の邪魔になるケンスケとトウジを、自分の乗っているエントリープラグに乗せてしまう。

民間人の搭乗は許可できないばかりか、エヴァのコクピット内は神経系統で接続されているのだ。
当然、操作に支障をきたしてしまう。

司令室から感情的に怒りをぶつけるミサト。
シンジは襲いかかる使徒を蹴り上げ、引き離すことに成功する。
しかしシンジも感情的になり、退却命令を無視することを決断。
エヴァの装備する巨大なナイフ1本で使徒に立ち向かう。

しかし、敵の触手がエヴァの腹部をつらぬく。
それでもかまわずに前進し、使徒の急所であるコアをナイフで突き刺す。
そこでエヴァと使徒は同時に沈黙してしまう。

ミサトにはシンジの気持ちが理解できなかった。
一方、トウジとケンスケは、心身ともに疲れきったシンジを目の当たりにして、同情の眼差しを向けるのだった。

STAGE.11 さまよえるサード・チルドレン

命令違反をミサトに叱られるシンジ。
感情的に怒ることしかできないミサトに対し、シンジはコミュニケーションを取ることを諦めてしまう。

シンジは家出する。
彼の周りの人間は、心配こそすれ、自分から探しに行くものは居ない。
シンジは、自分には居場所がどこにもないこと、現実から逃げているだけであること、そして何事にも中途半端であることを痛感していた。

あてもなく歩いていると、草原の中にテントを見つけるシンジ。
そこに居たのはケンスケだった。
彼はそこで一人で戦争ごっこをしていたのだ。

ケンスケに食事をもらいながら話をしていると、彼はシンジがうらやましいという。
ケンスケだけは、少なくとも本音で語ってくれる相手であった。

二人の後ろに忍び寄る男たち。
シンジはネルフ保安諜報部に発見されてしまったのだった。

本部に連行されたシンジは、監視カメラ付きの部屋でミサトに面会する。
ミサトはシンジに優しい言葉の一つもかけてやらず、やる気があるのかと事務的に問いただす。
シンジは、周囲がやれというからやっているだけだと答える。
それに対してミサトは、すべてを忘れて元の生活に戻るように言い、つめたく突き放す。

部屋を出て行くミサト。
シンジは呆然とする。
ドアの向こうではミサトも悲しい顔をしていた。

STAGE.12 やさしさの輪郭(かたち)

サードチルドレン、つまりシンジが帰郷することについてリツコから報告を受けるゲンドウ。
それに対して彼は、「これも予想されていたこと」と言い放つのみだった。

リツコは「マルドゥック機関による4人目が発表されていない」ことや、シンジを連れ戻して洗脳する可能性を心配する。
それでもゲンドウは「その場合は、初号機のデータをレイに書き換えるまで」と無表情に言うのみだった。

ネルフ保安諜報部に連れ去られたシンジを心配するトウジとケンスケ。
彼らは、ミサトの家に行くことに。
ミサトは、彼ら二人の話を聞くうちに、シンジを(家族のように感じ?)引きとめようと決意。
急いで駅に向かう。

駅のホームで、二人の付き添いの男に、電車にのるように促されているシンジ。
そこにかけつけたミサトは、自分がなぜペンペンを飼っているかを話す。
そして、シンジといっしょに住んでいたのは、ただの同情でもなく、監視が目的でもなかったという。
それを聞いたシンジは、昔の所には帰りたくないと言って泣く。

政府専用特別列車は発車してしまうが、プラットホームには、抱き合うミサトとシンジの姿があった。
「帰ろうか・・・あたし達の家へ」というミサトに、シンジは「はい」とだけ答えた。

第二巻 完

キーワード
マルドゥック機関:ここではまだ謎の言葉である。が、ネルフに対して、パイロットの供給を行う機関であると推測される。